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『となりの山田くん』試写会レポート(バレ無し)

高畑勲監督の新作が公開される。
この事は私にとって常に素晴らしい事です。

待っている間の、期待と不安が入り交じった気持ちは、皆さんも良く経験されている筈です。

でも、試写会とか初日とかに行った事は無いんですよね。
いつも、映画館が空く時期まで待って観に行ってました。

多くのアニメ映画にある、一種のイベント性は彼の映画には無いです。
徹夜で並んだりとか、アイテム付きの前売り券を買ったりとか・・・
(こういったイベント性を、否定はしていません)

落ち着いて観られる環境で作品を十分に楽しむ、これが一番大切な事でした。

でも、今回は違いました。
1日でも早く、どうしても観たかったのです。
それには理由がありました。

世界の商業アニメーションの歴史は、1937年のディズニーアニメ『白雪姫』から始まったと私は解釈しています。
日本の商業アニメーションは、1958年の『白蛇伝』から始まったと言えると思っています。
(ここら辺の知識は自信が無いので、詳しい方に教えて欲しいです)

その後、商業アニメーションはアメリカと日本で発達していきます。
(随分方向性は違いますが)
沢山の年月の間、沢山の人間が、その制作に関わってきました。
その多くの情熱により、大きな技術的な進歩を果たしました。

しかし、いくら技術が進歩しても、商業アニメーションにはどうしても逃れられない制約がありました。
セル画か、セル画タッチである事です。

勿論、現在のセルアニメの表現力には素晴らしい物があります。
私もセルアニメは大好きです。
しかし、微妙な色合いの物は動かせません。
また、動画と背景の色合いを合わせる事も困難です。

短編アニメーションでは、色々なタッチの絵の作品があります。
(ユーリ・ノルシュテインなんかは最高ですよね)
でも、劇場映画やTVアニメにするには、手間がかかりすぎます。

しかし、遂にその制約から解放される日が来ました。
世界初の、水彩画タッチ商業アニメーションが完成したのです。

同じくジブリで活躍している宮崎駿に比べて、高畑勲は地味だと言われています。
確かにシナリオ的には地味な作品を作っていると言えるでしょう。
しかし、新しい映像表現への挑戦、という意味では物凄く派手な作品を作っています。

誰もやった事が無いような表現に挑戦し続けています。
新しい表現の為に、お金とスタッフの労力を注ぎ込んでいます。
その量たるや、凄まじい物があります。
そう、恐ろしく過激な演出家なのです。

新しい事へのチャレンジ精神で、これ程驚かされる人は、私にとってはいません。
(これについてはいずれ書きたいと思います)

彼のチャレンジとその後の成果を考えて、もっとも革命的な作品は『アルプスの少女ハイジ』だと私は考えています。

『キャラクターデザイン』という仕事を発明した事。
この作品以降、この役職が日本のアニメにとって、当然かつ人気の仕事になった事。

以上の2点がその理由です。

そして、今回でその評価の順位が変わる可能性があります。

『となりの山田くん』の水彩画表現が、完成の域に達している事。
この作品の後に、水彩画タッチ商業アニメーションが、当然の表現になる事。

以上の2点が達成出来たら、私の中での順位が変わります。
『アルプスの少女ハイジ』が2位になるのです。

こう考えたら、我慢出来なくなりました。
どうしても早く観たい。
その為に、手段は選んでられません。

そう思った私は、徳間書店、講談社、集英社、秋田書店、それぞれの試写会の抽選に、友人の名前も使って申し込みました。
モラル的にはかなり問題のある行為でしたが、そのおかげで講談社の試写会に当選しました。
そして今この文章が書けているのです。

何かレポートと言えないような内容になってしまいましたが、『バレ無しレポート』はここで終わりにさせていただきます。
もしよろしかったら『バレ有りレポート』も読んで下さい。
それ程、映画の内容に触れていないと思いますので・・・

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