Mainichi INTERACTIVEは、今回の問題を詳細に取り上げており、非常に参考になります。担当されている、野島康祐氏、乾達氏には頭が下がりますね。早速、2002/7/24、2002/7/25の記事を元に、検証しようと思います。まずは、2002/7/24の一部を引用します。関係者は「間違いなく、本編の色は公開時の色に近づけている。ただ、予告編やCMと見比べたら、赤みを強く感じることがあるかもしれない」と説明。予告編とCMの色調が「基準色」になってしまい、本編の色調に違和感を感じるファンが多かったとみられる。ただ、予告編とCMの色調を調整しなかったことについて、この関係者は「何も言えない」としている。(赤字は引用者。以下同じ。) 赤字は引用者がつけました。この関係者というのは、ブエナビスタのスタッフなのか、ジブリのスタッフなのかわかりません。しかし、この説明から疑問に感じる事があります。 まずは、予告編に色調整を行わなかった事ですが、これは別に当然の事だと思います。映像特典とはあくまでもおまけ。おまけにまで独自の色調整を行うなど、過剰品質であり、そんな手間と予算をかけるのであれば、価格を下げてもらいたいとすら思います。 そして次が肝心なのですが、予告編が基準色になってしまったという説明です。7/24の当コラムでも書きましたが、スタジオジブリのフルデジタル作品の第一作は、『となりの山田くん』です。またジブリDVDの第一作目も同様です。そして、この作品にも映像特典として、予告編が多数収録されていますし、予告編と本編の色合いには差が有ります。当然の事ですが、本編の映像の方がキレイです。間違っても、購入者が予告編を基準色と考える事は、まずあり得ないでしょう。 予告編を基準色と思われてしまう映像を作ってしまった事を、ブエナ、ジブリ側のスタッフには考えてもらいたいと思います。 次は、2002/7/25の一部を引用します。 アニメ映画「千と千尋の神隠し」のDVDの色調が赤味がかっているとの苦情が寄せられた問題で、販売元のブエナビスタホームエンターテイメントが、適正に再生できる機器環境を限定する内容の顧客対応マニュアルを、全国の販売店に配布していたことが25日分かった。 要は、ブエナビスタが不良品では無い事を、販売店にアピールしているという事でしょう。欠陥品では無いのだから、返品に応じない販売店の姿勢は、当然責められるべきでは無いでしょう。この記事から感じられるのは、550万本も出荷した商品の回収を、何としてでも阻止しようとする、ブエナビスタの姿勢しか、少なくとも筆者は感じる事が出来ません。このような対応をしている事から、今までの発表も果たして事実なのかを、疑う人物がいても不思議では無いと思います。 さて、今回の問題は、デジタル映像作品の扱いの難しさを、考えさせられる物でした。ただ、ビデオ化に情熱を注いでいるのかいないのか、良く判らないスタジオジブリですが、劇場公開版に関しては、並々ならぬ情熱を注いでいます。『千と千尋の神隠し』では、『GaletteTM』とうシステムが使われたようです。また、『千と千尋の神隠し』の撮影監督である、奥井敦氏とのインタビューもなかなか熱い物があります。詳しくは全文を読んでいただきたいと思いますが、気になる部分を一部引用します。 「ホーホケキョ となりの山田くん」(1999年7月17日 松竹・東急系公開)では初の全編デジタル作品と なりました。 このインタビューで判る事は、『となりの山田くん』と『千と千尋の神隠し』は、デジタルからフィルムへの変換作業を、別のシステムで行っているのが判ります。『となりの山田くん』はKODAKのCineon、『千と千尋の神隠し』はIMAGICAのGaletteTMです。なるほど、ノウハウが生かせなかったのも無理無いのかも、と考えさせられます。ところで、別ページにまた興味が湧く説明がありました。以下に一部引用します。 3. 今後の展開ついて うむむ〜、このシステムが既に完成していたら、今回の問題は起きていなかったかもしれません。残念、実に残念であります。 |