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アニメ用セルは生産中止?

 先日、私の『千と千尋の神隠しDVD問題』のコラムについて、ガンダルフさんという方から、質問のメールを頂きました。質問の内容は、私の2002/7/24付けのコラムについての疑問点でして、私はそこで、スタジオジブリがフルCGアニメ制作体制に入った理由が、富士フイルムがセルの生産を止めてしまった事を理由としています。しかし、ガンダルフさんによると、セルはまだ生産されている筈との御指摘でした。ガンダルフさんの許可を頂きましたので、メールの内容を一部紹介したいと思います。
アニメのセル用のフィルムには商品名フジタックが使われていたはずです。これの生産が終了したとは聞いていなかったんで不思議に思いました。銀塩写真フィルムの製造が中止にならないかぎり、タックのフィルムの製造も続けるはずですので。

中略

よろしければ、上記記事の製造中止というネタモトを教えていただければ幸いです。
 ガンダルフさんによりますと、アニメセルに使われるフジタックという製品は、富士フイルムの系列会社、富士フイルムビジネスサプライで販売されているというお話でしたので、それを元に調べてみました。すると確かに、富士フイルムのホームページと、富士フイルムビジネスサプライのホームページを見れば、フジタックという製品名で、アニメのセルが現在も発売されている事が判ります。これには私も驚きました。

 ちなみに、私が上記の記事を書いたネタ元は、実は手元にありません。恐らくは、鈴木敏夫PDのインタビューであったと記憶しています。しかし、それではあまりにも無責任ですので、上記2社に電話確認をさせていただきました。

 まずは、富士フイルムに聞いたお話によりますと、確かに1997年頃に、富士フイルムはセルの生産を中止されているというお話でした。しかし、セルが全く入手出来なくなってしまったのかと言うとそうではなく、系列会社である富士ビジネスサプライに、業務を移管しており、今後はそちらの方で購入してもらうよう、取引先にアナウンスしたとのお話でした。更に、富士ビジネスサプライに問い合わせたところ、現在でもセルの販売は行っているとのお話でした。

 ここから推測しますと、アニメーション製作の時代の流れが、セルからCGに移っていく状況の中で、『平成狸合戦ぽんぽこ』や『もののけ姫』でもCGを使用している事から判るとおり、スタジオジブリは既にCGアニメへの転換を考えていた。そして、セルの販売が富士フイルムから富士フイルムビジネスサプライへの変更をきっかけに、フルCGアニメへの転換を決意した。つまりは、セルが全く手に入らなくなるのは原因ではなく、一つのきっかけであったのでしょう。まぁ、インタビューではここまで細かい話しはしないのは当然ですから、誤解が生まれるのは不思議ではないと思います。何か、言い訳がましいですが…(汗)

 ちなみに、セルは今でもアニメ会社に対し出荷を行っているというお話です。セル画の絵を求める監督は、未だにいるのだそうです。勿論、富士フイルムで生産している頃より、遙かに生産量は少ないそうですが。しかし今回の件は、記事を書く時の取材の大切さを痛感させられました。メールをくださったガンダルフ様、親切に質問に答えてくださった、富士フイルム様、富士フイルムビジネスサプライ様には、心から感謝の意を表したいと思います。

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