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第30話第32話

第31話『ながい夜』

 今回は三千里ではしばしばあるつなぎの話し、一応はストーリーとしてまとまっていますが、アルゼンチンの動物紹介みたいな内容になっています。『わくわく動物ランド』みたいですね(笑)。

 後で出てくるピューマは、まだストーリーに関わっていますから、出す必然性という物がありますが、冒頭でのダチョウは、山を効果的に出現させるという演出意図はありますが、基本的にはストーリーに全く関係ありません。ここでのペッピーノの台詞も、彼の普段からのキャラクターを考えると、非常に浮いていて、説明的とすら言えます。以下台詞。

ぺ:「アルゼンチンのダチョウ、ガウチョの食料さ、革は柔らかくてとびきり上等の服にもなる」
マ:「へぇぇ、でも速かったなぁ!」
ぺ:「そう、馬よりな」
マ:「えっ?馬より速いの、あの羽のない鳥が?」
フ:「羽がないから、空を飛べないから速いのよ、きっと」
ぺ:「まさにその通り」

図1、指3本 でも、こういうのが三千里で楽しいところなんですけどね。このダチョウについて少し調べると、名前はレア、ダチョウ目レア科、ブラジル北東部からアルゼンチン中央部に生息し、別名アメリカダチョウ、学名はRhea americanaです。最高速度は60km/hでして、ペッピーノの言う通り、かなりの高速です。ダチョウの指は2本ですが、レアは3本ありまして、画面でそこがキチンと認識されているのが嬉しいですね(図1)。また、革が取られている事を言っている通り、この手の動物特有の、絶滅が心配されている動物です。現在、ワシントン条約の附属書IIに属し、商業取引を行うには、許可を受けて可能になります。

 ただ、ワシントン条約の話しをすると、動物愛護精神を発揮して声高に叫ぶ人がいますけれど、私はこの条約その物に疑問を感じる部分があります。何故かと言いますと、鯨がこのワシントン条約の保護対象となっているからです。当然、鯨は特に絶滅のおそれの高く、商業取引を禁止する附属書Iの中に入っいて、この為日本は商業捕鯨が出来ない事は、多くの方が御存知でしょう。ですから、日本は、まっこう鯨、つち鯨、にたり鯨、みんく鯨、いわし鯨、ながす鯨について、附属書Iに掲載されていることに科学的根拠がないと、捕鯨復活に向けて運動しているのですが、最近の捕鯨問題のニュースを聞いていると、動物保護と言うより、政治的な問題になってしまっていて、ウンザリさせられます。捕鯨反対国にとって、鯨の絶滅の危険性の科学的根拠は、必要ないように見えてしまいます。

図2、ひとっ飛び、ピューマの凄さ 西洋人の捕鯨を反対する声の中に、鯨は人間に次ぐ賢い動物、だから可哀想だ、等という意見がありましたので、彼等の本音は科学的根拠では無く、感情論に過ぎないという印象を持ってしまうのは、むしろ当然でしょう。ワシントン条約とは関係ありませんが、ソウルオリンピック、日韓ワールドカップの際の、韓国の犬食文化に対する批判も、似たようなケースと言えます。特にワールドカップ時には、ブラッター会長自らが犬食文化を止めるよう求めてきましたから、韓国人の怒りは当然の事と言えます。とは言え、スタジアムの回りで、犬肉バーガーや犬肉サンドイッチを振る舞うというのは(本当にやったのかなぁ…)、さすがにやりすぎと思いましたが。

 今度は、日本がメインの消費国である銀ムツを、附属書IIの対象にするようオーストラリアが提案していますが、これらの西洋人の思考パターンを見る限りでは、これが本当に科学的根拠があるのか、眉に唾を付けたくなります。鯨に関しては、小林よしのりが、海産物を奪い日本の生殺与奪権を手中にしようとするアメリカの陰謀である、というような主張をしていますが、まぁ、説得力を感じてしまう人間が出てしまうのは、仕方がないと言えるでしょう。

 話しが無茶苦茶すっ飛びました(笑)。今回は、相変わらずのお調子者のペッピーノをみる事が出来ます。前回しょぼくれていたのもなんのその、すっかり元気になってます。一体この空元気がどこから来るのでしょうか?前回の無法者よりも、ずっと恐ろしい相手なのになぁ(笑)。

図3、脅えるアメデオ 鹿狩りの時、銃に弾を込め忘れる間抜けさ。子供のマルコより先に気を失う気の小ささ。そのくせ訳のわからん法螺自慢話を延々とする。鹿を逃した事は、まぁフィオリーナ達を心配させないための方便と言えますが、その後のピューマを追い払った話しはねぇ…不寝番をするつもりが寝てしまって(これについてはマルコも同罪ですが)、ピューマが来なかったと思っていたら、足跡が残っている事から、実は来ていたい事が判明して青くなって、最後は途中で目覚めたフィオリーナに突っ込まれて、結局は嘘がばれたがコンチエッタに情けをかけられて、良いとこなしですなぁ(笑)。

 さて、その恐ろしいピューマですが、学名はPuma concolor、生息地域は南米のほぼ全域と北アメリカの西部でして、クーガー、パンサー、マウンテンライオン、などと呼ばれてもいます。狩りは基本的に単独で行い、昼夜関係なく獲物を捕らえます。足が早い上くジャンプ力も優れています。このピューマ、ワシントン条約では先ほどのレアよりも規制がきつく、附属書Iに掲載されていて、特にフロリダピューマは絶滅の危機に瀕しているようです。

 こうやって調べると判りますが、ピューマの性質がキチンと表現されており非常に面白いですね、特にジャンプ力に優れているため、せっかくペッピーノが扉を打ち付けたのが、全く無駄だったのが、ちゃんと映像でも表現されているのが良いです(図2)。また、馬とアメデオの脅え方が、非常にリアルで良かったです。ピューマの気配を感じ、そわそわするところとか、ピューマが現れ脅えるところが面白かった。特にアメデオの脅え方が、非常に表情が豊かでした(図3)。初めのマルコとペッピーノの脅え方より、雰囲気が出ていたかもしれません(笑)。

図4、座ったままのマルコに、毛布を掛けてあげるフィオリーナ さて、今回最大の名シーンですが、普通であればピューマが襲ってきた緊迫感あるシーンを選ぶのが普通なのでしょうが、(;´Д`) フィオリーナタン ハァハァの漏れとしましては、マルコを寝かしつけるフィオリーナタンでし(藁。座ったまま寝ているマルコに、優しく毛布を掛け、目が覚めないようソッと寝かしつけるフィオリーナ。う〜ん、いいでし…(図4)棒で身体を支えた状態で寝ていたマルコでしたら、ピューマが現れた時に目が覚めたのかもしれませんが、フィオリーナに寝かしつけられた状態では、目が覚める訳もありません(笑)。マルコを見つめる眼差しの優しさにも、(;´Д`) フィオリーナタン ハァハァですね(図5)。背景の夜空も綺麗です。

 ただ、こういう事書くと、女性に母親役を押しつけている、という非難の声が聞こえてきそうですが、今の男性蔑視の世の中では、説得力を感じませんね。11月7日の毎日新聞に『高い死亡リスク 夫のいる女性、妻のいない男性』という記事が掲載されていましたが、何を言ってんだか、という記事でした。一部引用します。
 その結果、高齢やADL(日常生活動作能力)の低下は、男女とも死亡につながる高い因子だった。さらに男性では「配偶者がいない」「糖尿病で治療」「たばこを吸う」「過去1年に入院」「過去1年に健診を受けていない」などがリスクに挙げられた。しかし女性では「配偶者がいる」がただ一つのリスクだった。

「いま日本のお年寄り家庭では、女性が男性の世話を担う面が強いと思うが、今回のデータは、頼りにしていた妻を失って男性が健康などを崩すといった姿を示しているようだ。依存ではなく、頼り合える夫婦関係を築くことが大切」と話している。
図5、マルコを見つめる、フィオリーナの優しい眼差し 日本における夫婦は、平均して5歳ほど男性が年上です。更に、平均寿命の2000年の調査では男性77.64歳、女性84.62歳で、女性が約7歳長生きです。ですから、厳密に言えば違うのでしょうが、一般的な夫婦で言えば、妻は夫が亡くなった後、10年以上生きている事になります。死ぬ寸前の夫と、10年以上寿命が残っている妻では、どちらがこの時点で強者であるかは明らかでしょう。パートナーであれば、弱者が強者を頼りにして、弱者が強者の負担になってしまう事は、当たり前の事です。それを、さも女性が被害者であるかのように、世間を誘導するこの学者と新聞社に対して呆れてしまいますし、昨今のマスメディアの男性蔑視の風潮には、強い怒りを感じます。

 マルコは、コンプレックスの塊だったフィオリーナの心を癒し、自信を与えました。ですから、こういう時にフィオリーナがマルコに優しいのは、不思議でも何でもない事なのです。と、ドラマに関係ないところでエキサイトしてしまいましたが、まぁ今回は、ドラマにあまり関係ない話しだったので、私が関係ない話しをするのも有りでしょう(笑)。ちょっと苦しいかな…(汗)言い訳せずに素直に、(;´Д`) フィオリーナタン ハァハァしてれば良いのに、という声が聞こえてきそうです(藁。

 最後にあら探し。気絶から目覚めた時、ペッピーノが銃を拾うカットが無く、また次のカットでも腰に銃が刺さっていないので、銃を忘れた事を絡めたエピソードでもあるのかな、と思いきや、次のシーンではちゃんと銃が腰に刺さっている、いえTVアニメにありがちなミスなんでしょうが、三千里のような緻密な作品でこれがあると、非常に目立ちますねぇ。ちょっと意地の悪い指摘でした(笑)。

©NIPPON ANIMATION CO.,LTD. 1976

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